水槽を観察するとわかる事って有りますよね。
魚の様子とか、水草の調子や水の透明度などですね。
ただ、見るだけではわかりにくいのが「水の中の状態」です。
水槽は立ち上げて数ヶ月も経過すると、バクテリアなどの働きによって水槽内の環境が少しずつ安定してきます。
水の透明度も増してきて、
「おっ、だいぶ水槽らしくなってきたな!」
なんて思っていたら……
あちこちに黒ヒゲ苔が生えたり、藻が発生して何となく汚れて見えたり。
それこそ、
「水、こんなに綺麗なのになんで???」
って水槽に向かって突っこみたくなる事ありません?
これ、実は珍しいことではないんですよね。
水が透明で綺麗に見えていても、水の中では目には見えない色々な物質が動いています。
という事で今日は、そんな「見た目では分かりにくい水槽の水質」について調べてみました。
Contents
淡水の水質・水の成分について
いつもご覧いただき有難うございます。
スローアクアリウムライフ!にし!です。
当たり前ですが、人や陸上動物に空気が重要なように、魚にとって水は重要ですよね。
大気の状態が悪ければ人も動物も植物も快適に生活できないのと同じで、水質が合わない水槽では魚やエビ、水草が元気に育ってくれないことがあります。
ところが、この水質について厄介なのが……
見た目では判断しにくいんですよね。
水が透明だからといって、必ずしも水槽の中の環境が完璧というわけではありません。
逆に、少し濁っていても、その原因によっては時間とともに落ち着いてくることもあります。
では、水槽の中では一体どんなところを見ればいいのでしょう?
アクアリウムで重要な水質や物質
水質には色々な項目がありますが、今回はアクアリウムで特に耳にすることが多いものから見ていきます。
pH(ペーハー)
まずアクアリウム雑誌なんかで良く見聞きするpH(ペーハー)について。
pHは、水が酸性なのかアルカリ性なのか、その度合いを示す数値です。
一般的には0~14の範囲で表され、pH7が中性。
7より小さくなるほど酸性に、7より大きくなるほどアルカリ性になります。
アクアリウムでは、
「この魚は弱酸性の水が好き」
「この魚は弱アルカリ性でも飼える」
なんて話が出てきますよね。
実際には魚やエビ、水草によって適した環境は違うので、「とにかくpH7にすればいい」ということではありません。
ここは大事なところです。
そして、ほとんどの人が水道水を水槽に使っていると思いますが、水道水のpHも地域や水源、季節などによって違います。
僕の住む新潟県のある市では、地域差こそありますが、平均するとpH7.5前後の弱アルカリ性でした。
皆さんも一度、自分が普段使っている水道水のpHを確認してみると面白いですよ。
実際に蛇口から出る水を測ってみてもいいですし、自治体の水質情報を確認してみる方法もあります。
水槽を長く維持していくなら、自分の家の水道水がどんな水なのかを知っておくのは意外と大切ですよ。
アクアリウムに適したpH値
では、アクアリウムではどのくらいのpHが良いのでしょう?
これがまた難しいんですよね。
魚やエビ、水草によって好む水質が違うからです。
例えば、弱酸性を好む生体もいれば、弱アルカリ性を好む生体もいます。
ですから、
「アクアリウムならこのpHが正解!」
という一つの数字があるわけではありません。
飼育している生体や水草に合わせて考える必要があります。
そしてもう一つ覚えておきたいのが、pHは単独で考えない方がいいということです。
水槽の水質というのは、pHだけで決まっているわけではありません。
そこで次に見ていきたいのが「硬度」です。
GH・KHって何?
アクアリウムをやっていると、pHと一緒にGHやKHという言葉も出てきます。
「またアルファベットが出てきた……」
と思うかもしれませんが、ここはざっくり覚えておけば大丈夫です。
GH(総硬度)
GHは、簡単にいうと水の硬さを見るための指標です。
カルシウムやマグネシウムなど、水に溶けている成分によって変化します。
水草や魚には、それぞれ好む硬度があります。
ですから、pHだけを見て、
「この水槽は大丈夫!」
と判断するのではなく、必要に応じてGHも確認すると、水槽の状態をより詳しく知ることができます。
KH(炭酸塩硬度)
KHは、水の中にある炭酸水素塩などによる酸を中和する力(緩衝作用)を見るための指標です。
ちょっと難しく聞こえますよね。
でも、ここで覚えておきたいのは、
KHがpHの変化に関係している
ということです。
水槽では、魚の呼吸やバクテリアの働き、水草の光合成など、色々なことが同時に起きています。
そのため、時間が経つにつれて水質も少しずつ変化していきます。
「最初に測ったpHと、数ヶ月後のpHが違う」
なんてこともあるんですよ。
アンモニア・亜硝酸・硝酸塩
そして、水槽を立ち上げるときにとても重要なのが、アンモニア、亜硝酸、硝酸塩です。
ここは水槽の中の「見えない変化」を理解するうえで重要なので、少しだけ詳しく見てみましょう。
魚がエサを食べたり排泄したりすると、水槽内には有機物が増えていきます。
そこから発生するアンモニアは、魚にとって有害です。
しかし、水槽内のバクテリアが働くことで、アンモニアは亜硝酸へ、さらに亜硝酸は硝酸塩へと変化していきます。
この働きによって、水槽内の環境が少しずつ安定していくわけですね。
これがいわゆる「ろ過バクテリア」の働きです。
ただし、ここで注意したいのが、
「水が透明になったから、もう大丈夫!」とは限らない
ということ。
水の透明度と、水槽内の水質は別の話なんです。
ここが今回の記事で一番お伝えしたいところです。
水が透明なのに、どうして苔が生えるの?
ここまで読んでいただくと、
「じゃあ、水が透明なのに苔が生えるのは何で?」
という疑問が出てきますよね。
苔が生える原因は一つではありません。
光の強さや照明時間、水槽内にある栄養分、CO2、水草の成長状態、流れ、水質の変化など、色々な条件が重なって発生しやすくなります。
つまり、
「水が透明=苔が生えない」ではないんです。
水は透明でも、水草が使い切れない栄養分が残っていたり、照明が強かったり、CO2が不足して水草の成長が鈍っていたりすると、苔にとって有利な環境になることがあります。
特に黒ヒゲ苔なんかが出てくると、
「水質は悪くないはずなのに……」
と悩んでしまいますよね。
僕も何度も経験しています。
水質だけを見ていても苔対策にはならない?
苔が出たからといって、
「じゃあpHを調整しよう!」
「水換えをもっと増やそう!」
と、いきなり何か一つだけを変えてしまうのはおすすめしません。
まずは水槽全体を見て。
照明は何時間点灯しているか?
水草は元気に成長しているか?
CO2は足りているか?
魚やエビを入れすぎていないか?
エサを与えすぎていないか?
フィルターの流量は落ちていないか?
そして、水換えの間隔はどうでしょう?
こうやって一つずつ確認していくと、苔が発生した原因が見えてくることがあります。
水槽は「水」だけを見ないことが大切
アクアリウムを始めたばかりの頃は、どうしても、
「水が透明なら綺麗な水槽」
と考えてしまいます。
僕もそうでした。
でも、長く水槽をやっていると、それだけでは判断できないことが分かってきます。
魚が元気に泳いでいるか。
水草が新しい葉を出しているか。
苔はどこに生えているか。
フィルターの流れはどうか。
そして、必要なら水質を測ってみる。
こうやって色々なところを観察していくと、水槽の中で何が起きているのかが少しずつ見えてくるんですよね。
水質を測ってみると、水槽がもっと面白くなる
水質検査って、最初はちょっと面倒なんですよね。
でも、一度測ってみると意外と面白いですよ。
「うちの水道水はこんなpHなんだ!」
「水槽の水は少し変化しているな」
「水換えするとこんなふうに変わるんだ!」
なんてことが分かってきます。
見た目では透明で同じように見える水でも、中身は少しずつ変化しているんですね。
そう考えると、水槽ってなかなか奥が深いです。
水槽の水は綺麗なのに苔が生える理由まとめ
今回は、水槽の水質について調べてみました。
水槽の水が透明で綺麗に見えているのに、黒ヒゲ苔や藻が生えてくる。
これ、決して不思議なことではありません。
水の透明度と水質は同じではないからです。
水槽の中では、pHや硬度、アンモニア、亜硝酸、硝酸塩など、目には見えない色々な変化が起きています。
さらに苔の発生には、光、水草の成長、CO2、栄養分、流れ、生体の数など、色々な要素が関係しています。
なので、
「水が綺麗なのに苔が生えた!」
となったら、すぐに水槽がおかしいと決めつけるのではなく、
「水の中では何が起きているんだろう?」
と考えてみると良いと思います。
水質を測ってみたり、水草の調子を観察してみたり、照明やCO2を見直してみたり。
一つずつ確認していくと、今まで見えなかった水槽の変化が見えてくるかもしれませんよ。
僕自身も水槽を眺めながら、
「水はこんなに綺麗なのになんで苔が出るんだ?」
と何度も悩んできました。
でも、そうやって悩みながら色々試していくのも、アクアリウムの楽しさの一つなんですよね。
見た目だけでは分からない「水の中の世界」。
皆さんも一度、水質を測ってみてはいかがでしょうか?
それでは、スローアクアリウムライフ!にし!でした。

